[ハリウッド映画・特殊メイク解説]もしも映画「ブレードランナー」の特殊メイクをロブ・ボッティンがやっていたら・・・その1

「ブレードランナー」は2019年11月に起こった話

とうとう2019年11月になりましたね。

2019年11月。この年と月はある一定の人たちにとってはかなり心がザワついてしまう重要な年と月。

それはこの2019年11月がSF映画の歴史的金字塔である「ブレードランナー」の舞台設定の年と月だからです。

「ブレードランナー」は1982年公開当時、未来を舞台にした設定で作られました。それが2019年11月。

僕は公開当時、小学生だったので劇場では観れなかったのですが、後になってビデオで観た世代です。

僕にとって「ブレードランナー」という映画の影響は計り知れない大きなものです。

多くのアート志望の人がそうだと思うのですが、何十年後の未来はこうなるだろうなぁと映画という虚構の世界の表現なのに、そこに強烈な現実性、実現性を感じたわけです。

1982年当時の2019年。それはとんでもない未来なわけですが、「ブレードランナー」の未来の情景には明確なリアリズムがありました。予言的とも言えたかもしれません。

とは言っても2019年というけっこう先の時代設定はかなり長い間ずっと先の未来という感じの印象だったことも確かで。しかしまさかその時代が来てしまうとは!

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の未来設定である2015年を過ぎた時なども同じように感じたのですが・・、なんとも不思議な感じですね。

そして2019年11月現在、やはりディテールとしての風景はまったく映画と違うのですが、フィーリングはまさに今の時代は「ブレードランナー」の時代が現実化しているようにも見えます。

日本の風景は世界中のどの国よりもその実現性が色濃く出ている国に思えます。日本のサイバーパンクな風景は今や世界中の外国人観光客に大人気です。


↑映画「ブレードランナー」オープニング。役者名、監督名などが出て時代設定解説の文章が出た後にバンっと大きく「LOS ANGELES NOVEMBER,2019(2019年11月 ロサンゼルス)」が出て(3:00あたり)映画が始まる。

「ブレードランナー」は1982年に公開

映画「ブレードランナー」はフィリップ・K・ディックの原作小説の実写化でリドリー・スコットが監督して1982年に公開されました。

映画の未来イメージはデザイナーのシド・ミードによるコンセプト・デザインを基調にしたもので彼のデザイン画を忠実に映像化しています。

全編デザインの塊のような映画であり、未来風景の実写映像化は特撮の大御所ダグラス・トランブル率いるEEGが全面的に担当しました。EEGはこの映画製作時に数社しか無かった特撮専門の会社で、後に社名を変えて「ゴーストバスターズ」の特撮などを担当しています。

「ブレードランナー」はこの何十年もの間、多方面のメディアで語り尽くされてる映画なので、専門の研究本もメイキング記事も多数出ています。それぞれ分野の解説はそちらを読んでいただくとして、ここではあまり語られない「ブレードランナー」の特殊メイクアップについて僕の見解を書かせていただきます。(その2へつづく)

[ゼライ直井のハリウッド映画・特殊メイク解説]もしも映画「ブレードランナー」の特殊メイクをロブ・ボッティンがやっていたら・・・その2

 

関連リンク

ブレードランナーBLADE RUNNER IMDb page

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