フォームラテックス・アプライアンスを使用した化け猫特殊メイクアップと技術解説 その1

写真はある短編作品のために作った化け猫の特殊メイクアップです。

このメイクアップはフォームラテックスのアプライアンスを使用しています。

アプライアンスとは

アプライアンスとは英語で書くと「appliance」で、普通に英語の辞書で調べると

「(特に、家庭用の)器具、装置、設備、電気製品」

と出てきますがこの場合は意味が違います(笑)

applianceのもととなってるapplyという動詞は漠然とした訳ですが「貼る」とか「塗る」とかそういう意味で、つまりapplianceは「貼る物」「塗る物」という貼るための物を総称する意味です。

特殊メイクと化粧のちがい

特殊メイクは女性の化粧とは違い、顔の上に物を貼ったり厚めに材料を塗ったりして作りあげます。

特殊メイクの草創期の1920年代、30年代のフランケンシュタインや狼男などの怪物メイクは基本的にその場で材料を俳優さんの顔に直接盛って毎日、ゼロから作ってました。

このやり方をビルトアップ式メイクアップと呼びます。

ビルドアップ式メイクアップとアプライアンス式メイク

このビルトアップ式メイクの問題点は毎日ゼロから作らなくてはならないのでとにかく時間がかかったことです。

平気で8時間とかかかるのが当たり前でそれはメイクアップアーティストにも俳優の人たちにとっても大きな苦痛でした。

この問題点を解消する方法として考案されたのがアプライアンスを使ったメイクアップです。

つまり現場でゼロから作るのではなく、作業場であらかじめメイクアップ(アプライアンス)を作っておいて、それを現場に持っていき俳優さんに貼る(applyする)というやり方です。

これをビルトアップ式メイクと対比してアプライアンス式メイクと呼びます。

このやり方によって特殊メイクは精度が上がり、時間の短縮を実現しました。

ただこの時点ではまだアプライアンス式メイクアップには大きな問題点がありました。

つづく・・

ゼライ直井の制作事例

映画「雨あがりの君」ゾンビ・メイクアップ02

制作事例も随時更新中(こちら)

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